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Stay Gold, Ponyboy.

コレに一番価値を見出してくれる人は誰?という視点についてのハナシ。

まいど、いおりんでござい。

最近、大塚家具で問題が起きていますよね。創業主である親父が、社長である娘のやり方を猛反対している問題です。「ワシが復活せねば、大塚家具が終わってしまう!」っていう親父と、「父のやり方は古いのよ!」っていう娘の物語。

以前からNewsPicksでも度々出てきていたし、私も何回か軽く言及しています。

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ざーっくり言えば、親父さん(従来)は、「会員制を敷いてお客さん一人ひとりにしっかりコミットする路線(高級路線?)」で、娘さんは「カジュアルな店でIKEA、ニトリなどよりも良い家具を売る中価格帯路線」を主張している感じ。

参考: 【速報】大塚家具の久美子社長が頭キレキレな中期経営計画を発表 | netgeek

まぁ、詳しくは実際に検索してください。間違ったこと言いそうで怖い(笑)。

私はこの二者のハナシをメディアで見たときに、娘さんのほうが良さそうだなーと思っていたんだよね。「会員制で、しっかり家具を入れる箱=家や家族と向き合って、高級家具をまとめ買いする」って、ちょっと時代遅れな感じがするなーって思っちゃって。

私自身シェアハウスに住んでいるし、出張続きでホテル暮らしのビジネスマンとかもいて、「家を買うこと自体が古い」みたいな風潮も出てきつつある。だから、ニトリとか、無印良品とかに行って、自分たちで必要なモノだけ買う、っていう時代になってきそうだなー、と。高級家具を買ってそれを10年も20年も使い続けるのも想定しづらいじゃん。

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この発想って、とっても庶民的だよね。私はちょっと前まで大学生で一人暮らしをしていて、家具にしろ何にしろ「とにかく安いモノ」「とにかく効率良いモノ」をずーーっと求めていたわけじゃん。おこづかいが月に2500円+飯代だった高校生の頃から、安いモノが正義だと思って消費活動を続けてきた。

世の中にはそんな生活とは無縁の「富裕層 1」がいる。彼らと私では、「お金を払ってもいいモノ」がそもそも違うんだよね。私にとってはお金を払う価値がないと思うモノでも、富裕層が喜んでお金を出すようなモノは存在する。

例えば若者の中には家電を買うとき、「家電量販店にいって欲しい製品に目星をつけて、家に帰って“価格.com 2“で最安値を検索してネット通販で注文する」という買い物をする人もいると思う。

富裕層の方々は多分「家電量販店を回った後にインターネットで最安値を検索する」という労力を費やしたくない人が多いんだと思う。それなら、例え1万円とか2万円高くてもいーから、1店舗目とか2店舗目で見つけた製品を買って家に届けてもらうんだと思う。

富裕層の視点は、今の私には絶対的に不足しているものだね。

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こっからは本当に想像なんだけど、多くの若手起業家とか熱血ベンチャー企業も、「富裕層の視点」は持っていないんじゃないかなー。多分、富裕層出身の起業家とか少ないんじゃないかな。

彼らを構成しているのはあくまで「一般的な家庭」出身で、多少裕福だとしても富裕層には届かない、小金持ち層出身くらいなんじゃないかな。そこから夢を追い求めて起業したり、もっと成長して「一般的な家庭」以上の人生を歩むためにベンチャー企業等に就職したりする。

そんな人たちには、「富裕層ならどんなモノにお金をドンッ!と払うのか」という視点はかなり不足している気がする。これからの日本社会において、そんな視点が有効に働くことはほとんどないと思うし、それよりも、「どれだけコストカットしつつマネタイズするか」みたいな視点が今のビジネスを席巻しているんじゃないかな。

多分、バブル期の日本においてなら、多くの人が「富裕層視点」を持っていたんじゃないかな。大塚家具が高級志向で一躍有名企業になれた理由は、富裕層視点を持ったビジネスが見事にヒットしたからだと思う。シャネルだとかグッチだとかが「ブランド価値」といって、若者からは想像できないような高値で値段設定していて、かつ売れている理由も「富裕層視点」によるものだと思う。そーいうモノにも価値を見出して金を払う人たちの存在を想定して商売しているのだと。

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よく、価値設定をするときに、「コストがこれくらいかかるから、利益をしっかり出るように…」という考えが重要だと聞くけど、もう一方で「どーいう人が一番、コレにお金を出してくれるかな」という視点から価値設定するのも大事だと思う(そういう面で、民間の粗大ごみ回収業者は良い値段設定しているね。あの値段を「高い!」と思うような人は最初から相手していないんじゃないかな)。

価値は人によって違うのだから、自分のプロダクトに対して「コレは高い!」と感じている人を相手に商売するのがビジネスとしては一番良いでしょ?

ばいびー☆

芸術作品のびっくりするような値段も、それにポンとお金を払ってくれる富裕層向けの価値なのだ。きっと。
芸術作品のびっくりするような値段も、それにポンとお金を払ってくれる富裕層向けの価値なのだ。きっと。

Notes:

  1. ピンキリだけど、本記事では「自分では管理しきれないほどの資産を持つ人たち」とします。
  2. 様々な通販サイトを比較して、価格順で並べてくれるサイト。欲しい製品に対して、簡単に最安値を調べられるので人気。http://kakaku.com

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