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Stay Gold, Ponyboy.

仕組みづくりするなら、その不利益は設計者が被る

仕組み作りする上で、「その仕組みがうまく作動しなかった場合の不利益は、設計者が被るようにする」というのは割と重要だなと思っていて。そうしないと、仕組みのトライ & エラーに対するモチベーションに差が出ちゃうからです。

例えば何か自動車工場の設計をしたとして、その自動車工場で歯車が狂って動かなくなったとします。その場合、設計者がちゃんとその場合の対応方法を仕組みに取り入れてなかった場合、最終的に設計者に白羽の矢が立つべきです。「動かなくなったんですけど、どないしたらええんでっか」と。それは「歯車が狂った場合は歯車の番号を見て取り替えて・・」みたいに自律的に動ける仕組みを作らなかった設計者の責任だからです。

ところが、多くの「上手く動いていない仕組み」において見られるのが、「設計者に白羽の矢が立たないようになっている」という要因です。上記の自動車工場の例だと、なぜか「別の工場にいる職人さんのほうが自動車開発に詳しいんだから、そっちに言ってよ」みたいな建て付けになっている。そうなると、仕組みが上手く動いていないのに、その不利益を設計者さんが被らないので、仕組み改善に対する熱意というか、真摯さが出ない。現場はむっちゃ困ってるのに、設計者がコーヒー飲みながら設計書とちんたら睨めっこしている・・・みたいなことが起きてしまう。

だから、ちゃんと「私のこの設計が上手く動かなかったら、その責任は私にあるのでココまで連絡してね」というような窓口を用意する。そうすることで、ちゃんと「設計が上手く動かなかったら自分が困る」という状況を作る。そのために「責任者」というのを明確にする必要がある。

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まぁ仕組みづくりに限らず仕事において「仕事が上手くできなかった場合の不利益をちゃんと被るようにする」というのは大事。

僕の場合は何かモノづくりの企画や監修をする際、僕へのホットラインのメールや問い合わせフォームを必ず用意する。そのホットラインは「返信は即日〜翌日にはします」くらいシビアなホットライン。電話が必要なくらい緊迫した企画ならそれを用意してもいい(僕はそんな緊迫した仕事は断るから電話も用意しなくて良いけど)。

そうすることで、「僕が上手く作らないと、僕のもとに問い合わせがいっぱい来て大変だからちゃんとやろう」となる。そして問い合わせが来たら、「これを再発させないようにしないと溢れちゃうな」という危機感を持てるから、ちゃんと制作物に対しトライアンドエラーを繰り返せる。

最初っから全てを予期した完璧な仕組みづくりなんて基本的に無理だから、このトライアンドエラーをどれだけ繰り返せるか、という部分が明暗を分ける・・・と僕は思う。少なくとも僕が作る仕組みが上手く回るのは、「エラーをすぐにキャッチしてすぐに解決するから」という部分が大きい。

そしてそのために、「困ったり使いづらかったりしたら僕に言ってね、すぐなんとかするから」と伝えておく。

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こういうことをしていると「イオリンは交流しながら仕事するのが得意なんですね/好きなんですね」と言われるけれど、これは間違い。僕の理想は真逆。1人で誰とも関わらずモノづくりをしたい。本音を言えば、上記のようなホットラインなんて心臓に悪いし、やりたくない。毎回大なり小なり疲弊しているから、「いつでも僕に言ってね」なんて言いたくない。

でも、良い仕事をするためにはこれが必須。これがないと秒で崩壊する。「仕組みは考えました。でもトラブルが起きた時の判断は僕にはできません」なんて、ナメすぎてる。でも結構これが横行しているから、結果、世の中には「成立しない仕組みを成立させるためのクソ仕事」に溢れている。

仕組みづくりの楽しい部分だけやって、その後のところには目を向けません、耳が痛い話は知りません、ってのはちょっと甘いよな、と僕は思う。趣味ならまだしも、お金もらってるんなら尚更。

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