論理的思考の偏重傾向がそろそろ終わるんじゃないか、ってハナシ。
まいど、いおりんでござい〜。桜がそろそろ咲いているけど、風が強くてひゅるりーらだね。
〜〜〜〜
さて。
本ブログでも何度か、“きっかけ”として使わせていただいた書籍、「マーケット感覚を身につけよう」。私の大好きなブロガー、ちきりんさんの著書です。
マーケット感覚を私なりの言葉で説明すると、「市場における価値を嗅ぎつける嗅覚」のようなものです。市場を分析する能力としては、論理的思考と対になる能力だと思います。
スターバックスが繁盛しているところを見て、「スタバの価値はコーヒーの品質だけでなく、高級感のある落ち着いた空間やスタッフのサービスの質、“スターバックス”というブランドが持つ信頼感、安心感にある。」というところまで嗅ぎつける能力を「マーケット感覚」と。
詳しくは書籍を実際に読んでくださいな。私がここ数年読んだ本の中で、一番面白く、勉強になった本なのでめっさオススメです。
〜〜〜〜
さて、この本を読み終わったとき、私は「そろそろ論理的思考を重要視しまくった時代が終わるな」という予感がしています。
ここ10年くらい、やたらと論理的思考という言葉が流行っていました。私が3年前に新卒就活をしていたとき、就活の採用条件に「論理的思考ができる人」と書いていた企業を散見しますし、インターンシップやセミナーで「論理的思考(ロジカルシンキング)を身につけよう」というようなモノは探せばすぐ見つかりました。論理的思考に関する書籍も随分と多く、「論理的思考コーナー」がある本屋さんもあるくらい。
論理的思考の偏重傾向はどんどん進行し、今では「論理的思考がないと正しい正解を導けない」「論理的でないものとは取り合わなくても良い」というような見方がされています。
ところがぎっちょん。
そもそも、論理的思考はその名の通り「思考方法」であって、結論へのアプローチのひとつでしかないんだよね。だから、「それだけあれば大丈夫」というような万能アイテムでも、「それがなければハナシにならない」というような基本アイテムでもない(あったほーが良いのはもちろんだけど)。
〜〜〜〜
じゃあ、他にどういうアプローチがあるの?という疑問に答えるのが、「マーケット感覚です」というハナシ。
例えば、「スターバックスの競合店は?」と考えたとき、皆さんは何だと思いますか?
論理的思考で言えば、「スターバックスはカフェ店のひとつだから、他のカフェ店、例えばドトールやタリーズなど。また、飲食店であるから、レストランも競合だね。さらに…」とスターバックスの持つ属性をひとつひとつ丁寧に分解して、衝突する他者を探し出すアプローチになる。
マーケット感覚は、「スターバックスを使う人ってどんな人かなー…。読書しに来ている人がいるよね。その人は“読書に最適な場所”という価値をスタバに見出している。じゃあ、それが家に置き換わったらヤバイよね。快適な椅子とか競合なんじゃない?空気清浄機とかもそうかも?」っていう発想になる。
もちろん、論理的思考側のアプローチでもいずれは同じ結論に辿り着くだろうけど、「スタバの競合は、空気清浄機です」とか、相当がんばらないと出てこないと思う。実際に空気清浄機を置いているカフェはあるけど、あれは多分、ちゃんと「自分のサービスが与える価値」に着目しているんだと思う。
マーケット感覚だけあれば良い、ってわけじゃないよ。ちきりんさんも言っているんだけど、「論理的思考」と「マーケット感覚」のダブルパンチは本当に強い。地道に取り出す現実味のある解と、一足飛びでより、現実に近い解が同時に得られるからね。
〜〜〜〜
で、最初に言った通り、論理的思考って10年近く流行っているよね 1。世間も危機感を煽っているし、多くの人が論理的思考を身につけようと必死になっている。そろそろ、「その他大勢」が論理的思考を身につける日が遠からず来るよね。
だから、いつまでも論理的思考にばっか着目していると、自分の価値が「代替できる価値」になっちゃいそう。
「だからこそ兎にも角にもマーケット感覚だよ!」とまでは言う気はないけど、何かしら“代替の効かない価値”を論理的思考のほかに身につけておくことを、私はオススメするよ。その代々の効かない価値を知るためにも、マーケット感覚は強いと思うけどねん。
ばいびー♪
Notes:
- その前に流行っていたのは熱血やド根性。 ↩