論理が大事なところも暗記させる教育にうんざり、ってハナシ。
まいど、いおりんでござい。最近、風が強くて「お、春一番かな?」と思っているんだけど、春四番くらい吹いているんじゃないの、これ。
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日本の義務教育において、私があまり好きになれないことが、「論理を使うべきところも、暗記させる」というところです。それも、なぜか「キーワード」を覚えさせるのです。
例えば、アメリカはとっても移民が多いですよね。アジア、ヨーロッパ、アフリカなどなど、様々な移民が集まって生活をしています。私は行ったことがないんだけど、移民たちが集まって暮らす集落のようなものもあるそうです。そんな状況のことを、「人種のるつぼ」等と表現することもあります。
上記のことを、私は小学生か中学生かで学んだのだけれど、そのときの筆記テストの問題は下記のようなものでした。
アメリカは移民が多いことから、「○○」」と呼ばれる。○○に入る言葉を書きなさい。
答えは「人種のるつぼ」なんだけど、正直、暗記させるところはそこじゃないだろ、という感じがします。「人種のるつぼ」という単語を覚えさせてどーすんだ、と。
私なら、以下のような問題を出します。
アメリカを表す言葉に「人種のるつぼ」とあるが、これはアメリカのどのような状態を表現しているか、答えなさい。
これで、様々な人種の移民が多いことが答えられれば3点。国が豊かで仕事が多いため、貧しい国で働くよりもずっと生活しやすいことも答えていれば5点、とかだね。
だって、ここで重要なことは、アメリカが「人種のるつぼ」と呼ばれていることなんかじゃなくて、アメリカには大勢の移民がいること、もっと言えば、その理由でしょ?だから、「人種のるつぼ」というヒントから、正確なアメリカの現状を答えさせるのがゴール設定であり、テストの問題にすべきことじゃないかな。
日本教育は、穴あき問題を作るのが本当に大好き。他にもこんな例はいっぱいあるよね。
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事件が起こった年号をやたらと記憶させる、年号記憶主義も違和感満載だよ。
この年号記憶主義教育の成果はすごいよ。ほとんどの人が「平城京遷都は710年」「江戸時代開幕は1603年」って言えるわけじゃん。ここに義務教育の恐ろしい効果を感じることができるよね。
でも、義務教育でそこまで細かく覚えてどうするの?7世紀初め、16世紀初めでいいじゃん。重要なのは年号それ自体じゃなく、時系列で見ることでしょ。「なんで平城京に遷都したの?」「どういう流れで江戸幕府は開催されたの?」っていうことのほうがずっと大事なことだよ。
しかも、鎌倉幕府の開幕は、昔は1192年だったけど、今は1185年だ、って教えている。歴史なんて結局は“説”だから、記憶主義で攻めると、「実は違いました」って時に簡単に綻びが生じちゃう。そんなものより、「なぜ鎌倉幕府は起きたのか」のほうがずっと大事だよね。
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私が、化学の授業が嫌いだったのも、「本来は論理があるのに記憶で押し込もうとするところ」です。
私が高校生のとき、先生に「炎色反応って、なんで起こるの?」って聞いたとき、「そこまで教えるには、大学の専門的分野になるから教えられない」と言われて絶望しました。
だって、一番大事なところを無視して、「この金属は黄色に光るのだ、さぁ覚えろ」って言われても、覚えたくないでしょ?炎色反応の一番重要なところって、“金属を燃やしたときの色”なんかじゃなくて、“なぜ金属を燃やしたら色が変わるのか”っていう原理じゃん。
要するに、高校までの化学が記憶に頼っていた理由は、「あまりにもカバーする範囲が広いから大事な論理を教えられない」ってことじゃん。それだったら、カバーする範囲を狭めてでも、ある程度の論理は教えようよ。
炎色反応だって、別に細かく言わなくてもいい。「燃やされて増えちゃったエネルギーを発光して吐き出しているんだよ」くらいは言ってくれてもいいじゃん。そしたら、「元素ごとに特徴があるから、発光する色が違うんだね!」ってある程度納得もできる。
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本来、論理的な部分があり、そこが肝要なのにも関わらず、そこをすっ飛ばして結果だけ教えて押し込もうとするから勉強って辛くなるんだと思うんだよね。もしかしたら、「日本人は論理的思考が苦手」って言われる理由も、こーいうところからかもしれないね。
ばいびー☆