フリーランスになった以上、考えるべきは自分の使える武器ではなく自分が闘う場所じゃないかな、ってハナシ。
先日、前職の元先輩とお会いした。その方は今は別の会社で働いているのだけど、その先輩と仕事論についてお話しさせていただいた。
その先輩をAさんとする。AさんはB2B(Business to Business) 1で生きている。そのAさんの言葉は、とても参考になるんだけど、それを聞くにつれて、自分がB2Bにあまり興味がないことを思い知らされる。
「今、いおりんは20代だから良いけど、30代、40代になってまだフラフラしてると人生詰むよ」といったアドバイスも頂いた。フリーとしての実績は評価されづらく、とにかく何らかの組織に入っておかないと、社会からは評価されないキャリアとなってしまうらしい。
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今後、B2BのSE(System Engineer)として生きていくのだとしたら、まさしくその通りだろうと思う。B2BがB2Bたる所以のひとつは、「異なる組織が協力することで大きい商売を成し遂げよう」という理念だからね。1人が1隻の商船で貿易するより、10人が8隻の商船と2隻の武装船で貿易したほうが大規模の商売ができる、ってハナシだ。
そんな船団が跋扈する世界で、1隻の船だけで貿易していても、信頼性、規模等の問題から、大船団には相手されないよね。足下見られて安く買いたたかれるのがオチ。フリーランスがほとんど儲からない理由はここにある(実際、フリーランスになったエンジニアの大半は数年後に再就職している、というハナシを聞いた)。
要するに、後ろ盾のないフリーランスは、大船団たちから相手にされないのだ。
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ところがぎっちょん、いおりんはそもそも、B2Bという業界に興味がなくなってしまった。大船団ででっかい商売をするんじゃなくて、1つの船でいいから、目に見える商売がしたい。でっかい船の中で、シルクを運びながら「このシルク、誰が使うのかな」「そんなの知らねーよ、俺らはシルクを売って酒を買えばいいんだ」みたいな商売じゃなくて、「あれ、あなたもしかして、シルクじゃなくて、この香料のほうが良いんじゃない?」みたいな商売がしたい。分かるかな?
あくまで私の想像だけど、B2B企業あがりのフリーランスが陥りやすいワナとして、「大船団にいた時代と同じことをやっている」っていうのがあるんじゃないかな。もちろん、それが得意だし主力武器だからそうなるのは当たり前なんだけれど。でも、フリーランスとなったなら、大船団時代と同じ市場で闘ってはいけないんだよ。さっきも書いたけれど、相手にされなくなっちゃうからね。
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フリーになった以上、自分がどの市場で闘うかは自分で見極めないといけない。この市場という言葉は何も、教育市場とか、EC市場とか、iOSエンジニアとしてだとか、そういう大きい括りで言っているわけじゃあないよ。それは業界、業種であって市場とはちょっと違う。自分自身をどういう人材にするかを見定めて、どういった人の“困った”に対応していくのか。「教育業界で行ってみよう」じゃなくて、「教育業界の中、公共教育はおろか、塾などといったところでもカバーできていない、実際の仕事を触りでも教えるフリーランス育成塾市場で行ってみよう」ってこと。
私は今は、「今から頑張ろうとしている、ITやデザインに疎い人」の手助けが出来ればいーなぁと思っている。「今から事業をはじめようと思っているけれど、Webとか分からない」みたいな人がいれば、嬉々として馳せ参じたい。
そのためにはそういう人と会わないといけないので、そのために色々と動き回っているわけです。そのついでに遊びまくっているけどね。ふっふっふ。
Notes:
- 企業に対して行う商売のこと。 ↩