METAL GEAR SOLID 5 GROUND ZEROSを通して考える平和のハナシ。
最近「METAL GEAR SOLID 5 GROUND ZEROS」というゲームをやりました。スパイ・ステルスアクションゲームですね。
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GROUND ZEROSは後々発売される「METAL GEAR SOLID 5 PHANTOM PAIN」というゲームのプロローグとして発売されています。ボリュームは少ないけど、3000円くらいで安いんだよね。普通は8000円くらいだからね。
「実際にこういうことが、世の中で行われてきたし、今も行われているかもしれないんだよね」と考えさせてくれるほど、このゲームの表現力は素晴らしかった。
このゲームは、捕まっている捕虜を助けるために、キューバのブラックサイト(法律適用外の米軍基地)に潜入するゲーム。
METAL GEARシリーズというと、これまでも戦争や核を主体においたメッセージ性の強いゲームが多かったけど、このGROUND ZEROSは特に「戦争の闇」を意識した作品になっていると思う。
一般的な戦争ゲームと言うと、戦場を駆け抜けて敵対国に勝利する、爽快感のあるゲームが思い浮かぶけど、このゲームでは爽快感はあまり感じられない。潜入任務ということもあって、終始緊張感に包まれている。
PS4などのハイスペック機で表現力の幅が拡がったためか、醸し出す空気感はシリーズ随一。そんな表現力で挑んでいる舞台が、敵対組織に対して過剰な拷問が行われることで知られる「ブラックサイト」とあっては、メインストーリーは一貫して暗い雰囲気が流れています。
でゲーム内で手に入れられるカセットテープでは、過酷な拷問の様子が流れたり、映像でも苛烈なシーンがあったりと、特に戦争の「闇の部分」を描写しています。映像も、なるだけワンカット(長回し)で撮ってあるため、リアル感が強い。
「実際にこういうことが、世の中で行われてきたし、今も行われているかもしれないんだよね」と考えさせられました。それを考えさせてくれるほど、このゲームの表現力と演出は素晴らしかった。
世界には未だ紛争地帯が存在しているし、銃声で目を覚ますような町もきっとある。
このゲーム自体は面白かったんだけど、感想としては「日本って、平和なんだな」と。
普段暮らしているこの日本ってメッチャ平和だから、「この平和は地球をまるっと包んでいるんじゃないか」とか考えちゃうじゃん。私の生きる世界はどこも平和なんじゃないかって思っちゃう。
でも、実はそうじゃないんだよね。この「ブラックサイト」と呼ばれる場所は2015年現在もあって、テロリストの容疑にかけられた人などが送られます。先日も誤認逮捕がニュースにあがっていました。
参考: 人違いでCIAに拘束されて想像を絶する拷問、不運すぎる男性の人生最悪のクリスマス休暇 – BusinessNewsline
2015年現在、イスラム国による人質・殺人事件も世間で話題になっている。エジプト革命はまだ記憶に新しい。世界には未だ紛争地帯が存在しているし、銃声で目を覚ますような町もきっとある。平穏無事なのは限られた地域でしかないんだよね。世界はまだまだ、平和じゃない。
私たちは失敗しても死なない。逃げても死なない。
でも、だからといって、「平和ボケすんな」って言うハナシかと言えばそうじゃなくって。その自覚さえあれば良いと思うんだよね。
日本人は平和ボケを指摘されるけど、むしろ平和ボケできるほどに平和なんだよ、日本って。それってスゴイことだよ。ほとんどの地域で、戦争のニオイがほとんどしないじゃん。
街中を歩いていても、不幸のタネが中々ないよね。例えば日本って物乞いが全然いないじゃん。孤児の路上生活者なんてのも全然いない。2020年にオリンピックが開かれるけど、アスリートたちが24時間、街を闊歩しても命の危険性がない国なんて、なかなか無いんじゃないかな。
でも、すれ違う大人たちはみんな、不幸を噛み潰したような顔して歩いている。過労死大国なんて呼ばれているし、幸福度も低いと言われている。なんかおかしなハナシだよね。こんなに平和な時代で。
日本で生まれたことで、私はかなり自由な世界で生きていると思う。そんな私たちまで、我慢している中でなんとか幸せを見つける、だなんてそんな生き方、しなくていいと思うんだよ。
私たちは失敗しても死なない。逃げても死なない。せっかくそんなジョーカーみたいなカード持っているんだったら、しっかり使うべきだと思う。
紹介したGROUND ZEROSは、そういった「平和」について考えさせてくれる良いきっかけになった。ゲームで得られるものなんて何もない、って言う人もいるかもしれないけど、「これは世に出すべきだ」と自信を持って作られた物には、何かしら価値を見つけることができると、私は思うよ。ほんじゃね。