Twitterを殺したモノ。あるいはThreadsを殺す可能性のあるモノ。
先日、Meta社(旧Facebook社)が新しいサービス「Threads」を開始した。
端的に言えば「TwitterライクなSNS」なんだけれど、昨今のTwitterに辟易した人たちがThreadsに流れて、開始直後から大量のユーザが登録した。同社が運営するInstagramのアカウントと紐づいていることも大きいと思う。
====
Twitterライクと言った通り、サービスのコアはTwitterとほぼ同じだ。短い文章を投稿できて、いいねができて、フォロー/フォロワーの関係性があり、RetweetならぬRepostがある。よくもまぁここまでTwitterに寄せてきたなと感心するほどだ。
もちろん、現時点で足りないところもあるけれど。ほぼTwitterと同じ使い方ができる。
じゃあなんでTwitterからThreadsに移行するのか。
もちろん、イーロン・マスクさんが来て以降、混迷を極めているTwitter運営も原因の一つにあると思う。
でも、一番大きな差は「コンテンツ」だと俺は思う。「投稿の質」と言ってもいいかも。
====
友人の1人は「今のTwitterは疲れるから見る気起きないし、投稿もあんまりしたくない」と言っていた。
Twitter上では、毎日のように誰かが炎上し、誰かを晒し、下世話な情報まとめ、宣伝、いいね・フォロワー数稼ぎが蔓延している。そこには「Socialな会話」はない。
当初は「おはよう」とか「今日暑いね」といったつぶやきが投稿されていたけれど、今はもうそんな投稿は少なく、情報収集ツールのようなモノになっている。
SNSと銘打ってはいるけれど、TwitterはもうSocial Networkですらないんじゃないかなと思う。はてなダイアリーとか、Yahooニュースとそのコメント欄とかに近いモノになっている。
====
ここに来てThreadsが開始してみんな流れてきて。口々に「おはよう!」とか「Threadsいいじゃん」とか投稿しだした。みんな模索しながら、パーソナルな発言をしだして、会話も生まれた。
Twitterでは生まれなくなった、SNSらしい楽しい会話が出てきたことで、みんなThreadsに流れたんだと思う。俺自身そうだ。
初日や二日目、みんなでわいわいと会話したり質問しあったりしている姿が、とても良い空間だった。
====
ところがぎっちょん。
ユーザが爆発的に増えたとなると、下心のあるアカウントも参入してくるようになる。「あわよくばビジネス的に得してやろう」「損しないように参加しよう」みたいなアカウントが出てくる。
執筆時点、サービス開始から3日目くらいだけれど、最初期にあったような、個々人がわいわいと会話して賑わっている感覚は一部で薄れつつある。
俺の観測範囲の話だけど、これは日本語で顕著。
「便利な情報まとめ」「商品やYouTubeなどの宣伝」「いいね数・フォロワー数稼ぎのAmazonギフト券プレゼント企画」などが出て来はじめている。
文章だけの投稿は少なくなり、映える写真や動画が流れてきていて。クリエイタを名乗る人たちが「フォローお願いします!」「YouTubeやってます!」とか言い出してる。
これらの投稿が、現代人を情報過多に落とし込み、疲れさせ、Twitterを殺したというのに。
みんなが楽しく会話しているところに「ほらほら!俺の作品見てよ!!」「これがんばって作ったから買ってよ!!」「応援してよ!!」ってやってる。そりゃパーティも白けるさ。
乗り遅れないように、とか、うまいことやろう、みたいな下心が強すぎて、気づいていない。
====
なんとなく、ThreadsもTwitterみたいになっていくのかなーーと思っている。
英語だとまだまだみんな会話を楽しんでるけど、日本語では割と「あーー、そろそろダメかも」という感覚になっている。
主語が大きくてアレだけど、もう「日本人にSNSは無理」みたいなことなのかもしれない。Clubhouseも殺したしね。
不況だからなのかもしれないけど、趣味とか娯楽にまで「うまいことやって得しよう」みたいなマインドを持つ人が少なくない気がする。
下世話な人はガシガシミュートしてるけど、いつまで持つかな。