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Stay Gold, Ponyboy.

「導きの地」によって狩りのリアリティが増したモンハンワールド

大人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」の最新作、「モンスターハンターワールド・アイスボーン」には、新要素・あるいはやり込み要素として「導きの地」というものが導入されています。


オイラはモンスターハンターには昔から興味を持っていました。

最初にガッツリハマったのは、「モンスターハンター・ポータブル2nd」からですが、実はゲーム自体は初代「モンスターハンター」から手を出しています。まだ「狩りゲー」というジャンルが確立される前からですね。

当時のオイラには、純粋に「大自然の中、恐竜たちを狩る生活」というのがとても魅力的に映ったのですね。PVで表現される大自然環境。巨大なモンスターを相手に狩りをして、その成果から狩り道具を製作していく。

そんな「ハンター生活」がオイラがモンハンに一番求めていることです。


一方で、モンハンで主流……というか、ヘヴィユーザがよくやっているプレイスタイルは、「効率よく狩りをする」という行為です。

モンハンには人々が熱中しやすい要素がいくつもありますが、そのひとつが「競技性」です。簡単に言ってしまえば、「どれだけ速く、効率よくモンスターを狩るかを競い合う」という行為です。

ヘヴィユーザの多くは、この競技性を追い求めています。そのために強い武器や防具などを揃え、モンスターの攻撃パターン(=アルゴリズム)やパラメータを分析し、潤沢なアイテム群を持って襲い掛かる。

その様子はさながらリンチです。飛び上がるモンスターには即座に閃光弾で目潰しをして落下させ、もだえるモンスターに爆弾をしかけつつタコ殴りにし、やっと起き上がったと思ったら今度は痺れ罠で動きを止められ、あるいは眠らされて、またタコ殴り。。

もちろん、そんなプレイスタイルを否定するわけではないですが、オイラはその様を見ると、引いてしまうのですね。

それは、オイラがモンハンという世界・生活に感情移入しているからだと思います。現実で象やら鹿やらが乱獲されるとかわいそうだと感じるように、いたぶられるモンスターがかわいそうに感じるのです。


そんなオイラにとって、先述した「導きの地」というのは、とても嬉しい新要素でした。

モンハンというものは、「クエスト」を受注して、そのクエストの目標を達成して進めていくゲームです。目標は基本的に「このモンスターを討伐/捕獲してくれ」というものです。それを能動的に受注してモンスターを討伐するのですが。

「導きの地」はそうではありません。これはフィールドが主体となっています。導きの地には「狩るべき目標」はいません。広大な土地、と、そこにランダムに配置されるモンスターたちだけです。何もせずに帰ったところで「失敗」にはなりません。

「導きの地」は、倒したモンスターによって様相を変えるフィールドです。簡単にいえば、「森林地帯に住むモンスターを倒せば、より強い森林地帯に生息するモンスターが現れやすくなる」というように、倒したモンスターの生息域に応じて、出てくるモンスターがどんどん変化するのですね。

この仕様は、本来は「欲しい素材を持つモンスターが出てくるまで、同生息域のモンスターを討伐しつづけて、導きの地を自分好みに成長させていく」というやりこみ狙いで作られた遊びのようですが。

オイラはこの導きの地が、今までで一番「ハンターっぽい生活」だと感じています。


これまでのクエスト主体のモンハンは、上述したような競技性が強くて。討伐すべき対象が決められている。戦うステージもクエスト固有で、一定時間過ぎたり、こちらが何回か倒れたら「失敗」になる、と。ゲーム的なのですね。

一方で、導きの地では、そーいう遊びとはガラッと様相が変わり、「フィールドに訪れて、その場に生息するモンスターを自分で選んで狩る」という遊びになるのです。一種のオープンワールドゲーに近いような遊びですね。

「ハンターたちの生活」という視点で見れば、後者のほうがリアリティがあるのですよね。だって、「クエストを受注すればいつでもそこに、対象のモンスターがいる」なんて不自然じゃないですか。素材が出るまで同じモンスターばっかり狩り続けるって、いかにもゲーム的ですよね。

実際はモンスターの出現はもっと偶発的なのですよ。だって自然界の生き物ですから。狩りにおいて重要な、「獲物を選んで、自分で探す」という行為が、今までのモンハンには一切なかったのです。

友達とやるときも、「今はAとBとCってモンスターいるけど、どれ狩る?」とか、「オイラ、Aを狩っとくけど、君はどうする?」という会話ができるようになりました。とても遊びの幅が自由なのですよね。


個人的にはこの「導きの地」を軸にしたゲームに移行してもいいんじゃないか、とすら思うのですが、モンハンプレイヤーのヘヴィ層は競技性を求めている傾向にあるので、難しいのかなあ、とも思います。

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