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Stay Gold, Ponyboy.

マリオテニスエースに見るゲーム性と裾野の広さ。

Nintendo Switch用ゲーム、マリオテニスAceの話をします。


オイラはNINTENDO64で発売された「マリオテニス64」がとても好きでした。「スティックで移動」「4つのボタンでショットを使い分ける」くらいしか要素を覚えていないのですが、それでいてテニスゲームとしてはかなり完成度が高かったように思います。

オイラはNINTENDO64を持っていなかったので、兄と一緒にプレイすることしかできませんでした。(オイラの家は兄がジャイアニズムで支配しており、兄弟といえど互いのモノは勝手に使ってはいけないルールでした。)

要するにプレイ回数はそれほど多くはないのですが、それでも20年近く経った2018年において「テニスゲームといえばマリオテニス64だよね」と思うくらいに、マリオテニス64は完成されていたのです。

そんな2018年に、マリオテニスエースは発売されました。

https://www.nintendo.co.jp/switch/alera/index.html


今回のマリオテニスエースは「マリオらしさ」を目指したそうで、独特で派手なシステムがいくつか搭載されています。

自分以外の時間経過を遅くする「加速」、キャラクター固有のアクロバティックな動きで弾を打ち返す「テクニカルショット」。照準を合わせて超強力なショットが打てる「ねらいうち」とその強化版「スペシャルショット」。

そして極め付けは「相手のラケットを全て破壊すると問答無用で勝てる『K.O.』ルール」ですね。「ねらいうち」や「スペシャルショット」はラケットに触れる直前でタイミング良くブロックしないと、ラケットにダメージが入ったり壊れたりするのです。そして、すべてのラケットが壊れると試合続行不能で、負けになるのです。

一方、これらの派手で強力なワザを使うには専用のワザゲージを貯めなければいけません。このゲージは球をちゃんと打ち返したり、「テクニカルショット」をよゆうをもってきめたりすると溜まっていきます。そして強力なワザほど、多くのゲージを消費します。

こういった要素が、「テニスの攻防」と「ゲージの攻防」を同居させています。相手をうまく揺さぶってゲージを貯めさせないようにしたり、スコアで負けているのでワザを使いまくってK.O.勝ち狙いに切り替えたり。ラケットとゲージを守るために相手のワザをスルーして1点を犠牲にしたり。

個人的には「マリオテニス64」とは全く違うゲーム性になっていて面白いです。レベルの高い試合になると前後左右に揺さぶられたり、あるいはワザが飛び交ったりして、ヒリヒリするような攻防が繰り広げられます。


ただ、「マリオテニス64」よりもハードルは上がっています。「マリオテニス64」の頃は、はじめてのプレイヤーや年齢層を問わず。誰でもすぐに楽しめるゲームでしたが、「マリオテニスエース 」では「スペシャルショット」や「加速」について知らないと、一方的な試合になってしまいます。

そーいった事態を防ぐために、ゲージ周りのシステムをなくした「シンプルモード」もあります。こちらは「マリオテニス64」と同じようなプレイ感覚であり、こちらも十分楽しいです。パーティゲームとしては、こちらのほうが盛り上がるかもしれません。

一方でゲーム性(=駆け引きや戦術・戦略の幅)は「ゲージあり」のほうが楽しいので、なかなかもどかしいです。「ゲージあり」のほうが緊張感のある攻防が多いので、その分楽しさの最大風速も大きいのです。

おそらく、この「ゲージ周りの攻防」を理解する前に拒否してしまったプレイヤーも多いんじゃないかなあ、と推測します。オイラ自身、「テニスの王子様かよ」と笑ってしまいましたし、「マリオテニス64みたいなほうがいいのに」と思ったこともありました。これはある程度習熟しないとわからないゲーム性かもしれません。


オイラが「マリオテニスエース 」にハマったのは、オンライン対戦に「ダブルス」が加わったからですね。個人的にはコレでさらに化けた気がします。

このゲーム、ダブルスだと「ペア内でゲージが共通」「所持ラケット数は別」というシステムが使われていて。野良でペアを組むと、先述したヒリヒリした戦いの中に「見知らぬ遠くの誰かとの意思疎通」という別の駆け引きも加わるのですよ。これがまた楽しい!

うまく相性が合うと、互いのミスを庇い合い、互いの長所を活かし合って凄まじいコンビネーションを生み出すことがあります。一方で、相性が噛み合わないと全てが裏目に出てしまう。。そんなヒリヒリする味方との駆け引きが、また楽しいのです。


個人的には、「マリオテニスエース 」は、「マリオテニス64」を超えていると思います。。が、セールスを見たり周りの反応を見たりすると、そこまで反響が大きいわけではないようです。多分、裾野が狭まってしまったからかと推測しますが。。

開発側も、「マリオテニス64」とは違うマリオらしさを追い求めて冒険した末にたどり着いた境地だと思いますし、その英断とアイデア力には拍手を送りたいですが、なかなかゲームというのは難しいなあ、と思う次第です。

https://www.nintendo.co.jp/switch/alera/index.html

https://www.famitsu.com/news/201806/28160050.html

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