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Stay Gold, Ponyboy.

人にレッテルを貼る行為って、理解からは程遠い行為だよね、ってハナシ。

まいど、イオリンでござい。

今日は最近「おもしろいな〜ぁ」と感じる、人間の「名付け」についておしゃべり。

人の面白い特性の一つに「名付け」というモノがある。何かしらの現象について自分の見知っている名前をつけることによって、「これは○○である」という風に対象を把握しようとする習性だ。

これは多分、人の習性と言って良いと思う。上記はややこしい文章かもしれないけれど、誰しもがこの「名付け」…言い方を変えれば「レッテル貼り」「カテゴライズ」をしていると思う。

「関西出身」「オタク」「大卒」「上場企業の社員」「美容師」「自営業」「ミニスカの女」「潔癖症」「ボート部」……まー色んな人が誰かにこーいうレッテルを貼っては「あいつは○○だから××なんだよ」みたいなことを言う。「関西出身の人はお笑い好き」「オタクは人見知りで引きこもりがち」「上場企業の社員は優等生」などなど。

これらは正しい時が多い。関西出身の人にはお笑い好きの人が多いだろうし、オタクの人は根暗で人見知りである可能性が高い気がする。だから多くの人は錯覚する。「A太はパソコンオタクだ」という名付けをしただけで、A太を理解した気持ちになる。

ところがぎっちょん。多くの場合は名付けに満足しているだけで、相手を理解したとは言いがたいんじゃないかな。むしろ、名付けをしてしまうことで相手の理解から遠ざかることもある。A太はパソコンオタクだけれども、実は運動大好きかもしれない。

私は関東に来てから何度も何度も「関西人」と言われつづけた。これは日本人がアメリカで「NINJA!」と呼ばれるようなものだと思うけれども、とにかく「関西人」と何度も言われ、その度に「やっぱり関西人はお笑い好きなんだな」とか「お前って面白いんだろ?」とか言われた。

確かに私はお笑いが好きだし、面白いことを言いたいと思っている。でもそれは別に私が関西人だからじゃない。でも、誰しもがその理由を聞かずに、「イオリンは関西人」というレッテルを貼り付けることで私を理解した気分になる。そして、「関西人なんだから面白いこと言ってよ」という、多くの上京してきた関西人を苦しめる悪魔のワードが飛び出す。

「イオリンが○○なのは関西人だからだ」がいつの間にか、「イオリンは関西人だから○○なはずだ」にすり替わる。これは理解とは言えないよね。名付けは便利だけれどとっても危険だと思う。

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さて、この「名付け」にはもう一つ面白い(=興味深い)現象があって。「名付け」をすると、その名前を現実のモノとする効力がある。

例えば現代日本では「自分の職場はとても質が悪い」と言う人が後を絶たないけれども、これは「自分の職場」に「質が悪い」というレッテルを貼ってしまっている。だから、よーく見ればそこまで質が悪くなくっても、その人が「この職場は酷い」って口にしてしまうと、その職場はその人にとって酷いモノになってしまう。

似たような例で、自分を卑下する人間はその通りになってしまう。「私はコミュ障(コミュニケーション障害)だから」と言うと、その人はコミュニケーションが苦手になってしまう。「自分はどうせ不細工だから」と言うと、その人は不細工に近づいていってしまう。「自分は○○だから」と考えてしまうと、その人は○○から抜け出す気持ちを失ってしまう。

「愚痴を言ってはいけない」とか「自分を落とす発言は控えるべき」とか世の中の自己啓発本が言うのは、自分に対するネガティブな名付けが現実化してしまうからだ。言葉は世界を変える。

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つまるところ、人は何かに名前をつけることで、その対象を名前に封じ込めるわけだ。なんてことはない「名前」というモノだけれども、実は凄まじい効力があるんだよね。だから最近は、「あまり安易に名付けを行うべきじゃないよなあ」と思っている。

それこそ先ほどの例のようだけれども、「私なんてどうせ駄目人間だから」とか言っている人は、何年経っても駄目人間だ。だから、私は自分にあまり自信はないのだけれども、それでも「自分はできないやつではない」という風に名付けを避けている。「少しはデキるはずだ」くらいは思うようにしている。

同じように、誰かに対して安易な名付けは行わないようにしている。人ってのは怖いモノで、「Aさんは女だから」とかいう名付けはもちろんのこと、「BはAさんの友だちだから」というような名付けを行って、BさんもAさんと同じような性格に違いないと思い込んでしまうことがある。そーいうのは本当に危険だから、できるだけ行わないように意識している(逆に言えば、意識しないと簡単に名付けをしてしまう)。

みんなも知らないうちに名付けを行って、本人を見ることを怠ってはいやしないかな。乱暴者の友だちは実はキレ者かもしれないし、可愛い女の子だって実は家ではやんちゃなのかもしれないのだ。だから本人を見ないといけんのだ。

ばいびー☆

愛知の津島。いいとこでした。

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