大変なことほど、「あなたが」成し遂げる価値はないってハナシ。
まいど、イオリンでござい。
ちょうど労働環境について考えていた時に、電通さんのところで過労死の事件が話題になった。
私は会社を辞めてからずーっと、「なんで楽しく働くってことが中々実現できないんだろう」と思っている。
絶対実現できないわけじゃない。私の友人の多くは、きっと楽しく働けているだろう。色んな苦難はあれど、それを乗り越えるべき壁、乗り越えたい壁として認識して日々頑張っている友人は多い。
でも、中には楽しく働けていない人もいる。働くことが辛かったり、なぜ働いているのか分からなかったり。そーいう人たちもいる。大人になるのが楽しみで仕方がなかった人も、気付けば自嘲気味、自傷気味に働いている。そして、仕事以外のところで生きる楽しみを見出そうとしている。
もっと素直に楽しく生きることができないんだろーか。そんなことを思う日もある。
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まー実際生きていくことは半端じゃなくって。私も時々、生きている意味や理由を失って絶望の淵に立ってしまう。
私は「楽しく働いて生きたい」と思っているけれど、何度も「楽しくない仕事」をしては「やっちまったなあ」なんて思っている。たまに楽しい仕事と出会えて「これこれ!」と思うんだけれど、それだけじゃ未だ生計を立てられなくって。(これは私の実力不足だけどね。)
妥協すればそーいうこと考えずに生きられるんだけれど、私は妥協できなくって。耐え難いことを耐えて生きていきたくない。
毎日満員電車に揉まれながら仕事場に行くなんて耐えられないし、生産性や挑戦よりも慣習が重要視される職場もゴメンだ。それに私は1ヶ月に1度くらいは旅行に行きたいし、1年に1回以上は1週間くらいの旅に出たい。
こーいう条件を色々取りそろえるとなかなか会社には雇ってもらえない。「お前若いうちからそんなことを言ってたら生きていけないぞ」とか何度も言われるけれど、私からすれば「そこを妥協して生きたら10年もしないうちに私は駄目になる」としか思えない。
だからこそワガママに自由気ままに、と思ってフリーランスで働いているんだけれど、それでも時々絶望するから、ほんと生きていくって半端じゃない。
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私はずーっと、働くってのは気持ちが良くって楽しいことであるべきだと思っていてさ。
世の中には色んな考えの人がいて、例えば「仕事はたとえ辛くっても、それ以外の部分で充実した日々を送れればいい」という人も多い。「仕事は所詮仕事だから、楽しいとか辛いとか関係ない。稼げればいい」みたいな人もいる。
私の考えは、「楽しくない仕事よりも楽しい仕事のほうが絶対良いじゃん!」っていうだけだ。
楽しい仕事のほうが生産性もあがるし、努力も簡単にできるでしょ。それに、社会で生きていく以上、「仕事」の存在はかなり大きいんだから。そいつを楽しい存在にしてあげないと、人生まるごと楽しくはならないでしょ、と。
と、まあ色々論理的なことも言えるけど、単に「何でも楽しいほうが絶対良いじゃん」って思ってるんだ、私は。
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ただ、まーなんだ。色んな事が影響し合って、少なくともこの国では「誰かの役に立つために辛いことを耐え忍んで成し遂げる事」が正義だという社会通念があってさ。そのせいか、「仕事は大変であればあるほど成し遂げる価値がある」と思われがちで。
ところがぎっちょん、「大変なこと」は基本的に避けることが大事だと私は考えている。というのも「大変なこと」っていうのは人によって変動するんだよ。
「あなたにとって大変なこと」は「他の誰かにとってラクチンなこと」かもしれないし、「誰かにとって超大変なこと」が「あなたにとって楽しくて仕方がないこと」なのかもしれない。
そして生み出される成果が同じなら、ラクチン・楽しいと感じてくれる人にやらせたほうが絶対いいわけだ。「適材適所」っていう便利な四字熟語があるけれど正にソレで、生産性を考えるなら、課題に対して「誰なら一番簡単に成し遂げてくれるかな」っていうのを考えないといけない。
オリンピックで金メダルとらせたいなら、最も「金メダルをとることがラクショーな人」を選ぶでしょ。それと同じで。
だから、実はあなたが「大変だ」と思うことは、あなたがやらなくってもいいことなんだよ。もっと言えば、あなたがやっても大して価値がないことなんだよ。大変なことほど、「あなたが」成し遂げる価値はない。
あなたや私がやるべきことは「大変なこと」じゃなくって、「誰かが大変だと思うけど私からしたら超ラクショーなこと」だよ。
これを見つけるのは簡単じゃないけれど、だからといって「大変なこと」に甘んじる必要はなくて、どちらかと言うと「超ラクショーなこと」を「誰かが大変だと思うレベルまでのめり込む」ってのがコスパの良いアプローチだと思うんだよね。
それこそが「あなた」が成し遂げる価値のあるものだと思う。だからどんどん楽しそうなほうへ行ったらいい。辛かったら逃げていい。
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余談だけれど、ウォール・ストリート(原題: Wall Street – Money Never Sleeps)という映画の1シーンで「労働の末の自殺」というモノがとても忠実に描かれている。もちろん、それだけを描いた映画じゃないので、本当に「1シーン」だし、「自殺」それ自体の描写は隠されてるけどね。
ウォール街でとある大失敗をしてしまった男の自殺シーンなのだけれど、彼はいつも通りの朝を過ごす。いつも通り目覚ましで朝早く起き、いつも通り妻と朝食を食べ、いつも通り綺麗なスーツを着て、いつも通りの時間に家を出る。いつも通り新聞を買い、いつも通りスナックを買い、いつも通りスナックを食べながら電車を待つ。そしてスーツについたスナックのカスを払いながらホームに並ぶ。
そして電車がホームにつくと同時に、電車の前に身を投げる。
「金融界で自殺する勇気を持つ者は少ない。彼は恥を知る男だった。」
と、映画内の人物は語った。恥を知る男ほど、自分を追い込みがちだ。だからこそ「逃げることは恥じゃない」ってことをみんな心にとめておいたほうがいいと思う。ライオンも生きるために逃げるしさ。
ばいびー☆