地方に就職することと、地方と結びついた就職をすることは違うよね、ってハナシ。
まいど、いおりんでござい。本日は大学の大先輩にお会いしてきました。
そのお方は和歌山県で働いているんだけれど、和歌山県でIT企業を運営しつつ、いわゆる「地方創生」的なことをやっている方だ。
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私は和歌山大学を卒業した。和歌山大学は和歌山県和歌山市にある。
和歌山市は、とっても分かりやすい「若者が流出する地方都市」だった。国立ということもあってか、全国から学生が和歌山大学にやってくるが、同じように多くの学生が全国に散らばってしまう。
和歌山大学は、「地元への価値還元」をコンセプトの一つにしていて、地元企業への就職も推進している。地元企業専用の説明会なども用意されているんだけれど、それでも和歌山で就職する学生はとっても少ない。
少なくとも情報系・IT系の学生はみーんな、大阪か東京に出ていってしまう。
その原因の一つに、「地元企業で就職しても、和歌山という地域の特性・恩恵を受けられるわけじゃない」というところだ。
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用意される「地元への価値還元」は、ほぼ「地元企業への就職」に集約される。
でも、地元企業に就職したって、やることは別に「地元と結びついた事業」じゃあなかった。例えば和歌山の銀行に就職したり、和歌山のIT企業に就職したりしても、やることが地元と密接に結びついているというわけじゃない。「和歌山ならでは」じゃなくって「地方都市ならでは」でしかなかった。
そーなると、結局ほかの都市と比べられてしまう。IT系の方々なら、「東京」や「大阪」に行くほうが良いと考えるのも無理はない。実際、私は東京に行ったし。
つまるところ、比べられている時点で勝負は決まったようなものだ。
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さて、冒頭で伝えた先輩は、和歌山で「地元と密接に結びついた事業」を始めている。
例えば、和歌山市に存在する空き家を題材に勉強会を開き、「どのように使えば、経済的に活性化できる?」ということを和歌山の人たちで話し合い、提案しあう。一番良かった提案を実際に事業として行う。とか。
この勉強会は和歌山のコミュニティスペースやカフェなどで行われ、和歌山の人たちが広く関われるようにしている。
これなら、実際に和歌山という「土地」や「人々」と寄り添いながら仕事ができる。和歌山には和歌山の文化があるから、それに惹かれた人ならば、もはや他の土地とは比べられることすらない。
今まで和歌山市には、若い人たちや新参者が「土地」や「人々」と触れ合えるような機会はめちゃくちゃ少なかった(偏っていた)。でも、そーいう人たちが広く参加できる場所が生まれ始めると、いよいよ盛り上がってくる気がするよね。
(こーいう視点で見ると、地方創生とかで実際に成功しているところって、新参者が「とりあえずここに行ったらいーよ」って迷わないで行ける企画や団体ができているところなんだよね。)
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ちなみに上記の事業は今のところ、和歌山大学とはあんまり繋がっていないらしい。
というのも、和歌山大学は最近、すぐ近くに大きい駅とショッピングモールが出来たため、「和歌山市内に行く」よりも「大阪に行く」ほうが負担が軽いことになっちゃったんだよね。
大学と繋がることができれば、もっと面白く活性化していく気がするけれど、遊び盛りの学生を呼び寄せるには、まだそっち方面の魅力が足りないみたいだ。
まだまだ和歌山市が盛り上がるには課題はあるけれど、面白い土地になってきてますよ、和歌山は。
ばいびー☆