専門職がいつまでも専門職のままいられる、ってわけじゃないってハナシ。

まいど、いおりんでござい。

皆さん、専門職って何だと思いますか?

専門職とは、「仕事するために、一般的に身につく以外のスキル(=専門スキル)の蓄積が存在する職業」です。

例えば、2015年現在、プログラマは専門職だ。プログラマとして仕事をするためには、情報技術に関する知識だけでなく、最適なアルゴリズム(解法)を選択するための手数や、実際にプログラミングをするための環境構築、さらにプログラミングの速度など、様々なスキルを必要とする。これらのスキルは勉強や実作業を何年もこなして、蓄積していかなくちゃならない。

例えば、介護職も、2015年現在では専門職だ。誰かの介護をするためには人体の仕組みを理解してなきゃ駄目だし、行う介護の種類に応じて必要な動作も熟知している必要がある。更には、被介護者とのコミュニケーションだって重要。私とかがちょっと学んだだけでは、介護者は名乗れないだろう。

逆に、「仕事するために、一般的に身につく以外のスキルの蓄積がほとんど存在しない職業」というのも存在する。一般職とか呼ばれるね。専門的ではない、一般スキルさえ身につけていればできる職業が一般職。

例えば受付嬢や事務仕事、会議の議事録係やお茶を入れる可愛いお姉さん、社長の荷物持ち等々は、センスの有無や熟練度の違いはあれど、言われればまぁ誰でもできるよね。(価値がないってわけじゃないです。)専門職のように、身につけるために専門スキルの習得を必要としないのが、「一般職」ってやつです。

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さて。この専門スキルと一般スキルは、当たり前だけれど入れ替わる。専門スキルが一般スキルになったり、一般スキルが専門スキルになったりする。それは時代と場所によって入れ替わる。

例えば「読み書きスキル」は昔のニッポンでは専門スキルだった。昔は誰も彼もが読み書きを教えられていたわけではなく、大名とか貴族とかがお寺で勉強して身につけるモノだったからだ。それが寺子屋の普及等で多くの人が読み書きを習得することで、読み書きスキルは一般スキルになった。

場所で言えば、分かりやすいのは言語スキルだ。英語スキルは日本にいれば専門スキルだけど、英語圏の国々では一般スキルだ。逆に日本語は日本では一般スキルだけど、他国では専門スキルへと変貌する。

専門スキルと一般スキルは、環境によって変動するんだ。

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IT技術の発展が著しい今では、専門スキルと一般スキルの変動はかなり激しい。それは一人の人生の範疇でも大きく変動する。

そもそも技術進化のスピードが速過ぎる。

一昔前の日本では、「パソコンで簡単な書類を作成する」ということも専門スキルだった。それが、Microsoft Wordの登場やパソコンの普及、さらに義務教育における情報技術教育の高度化によって、パソコンでの書類作成は一般スキルになった。20年か30年の差だ。

その上、IT技術は専門スキルを簡易化することによって一般スキルにすることがある。Google等が提供する「自動翻訳」や「電車の乗り換え案内」なんかはその典型だろう。これらはIT技術の進化によって専門性を失った。

オマケにIT技術によって世界が一つになるにつれて、一部の場所でのみ専門スキルとなっていたスキル…局所的専門スキルとでも呼ぶべきスキルが一般スキルに取って代わられることで「専門的価値」を失う可能性もある。日本国内の英会話教室が、フィリピン人等によるSkype英会話にシェアを奪われている事象が分かりやすいだろう。

これまで日本で英会話を教えられるネイティブは「日本で生活できる」という一種の専門スキルを要していた。それがSkypeなどのIT技術によって取っ払われて、英語を喋れる人なら誰でも「日本人に英語を教えられる」というスキルを持てるようになった。

このように、最近は本当に専門スキルの一般スキル化が激しい。

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SEの仕事のほとんども、そのうち専門職ではなくなると、イオリンは感じている。例えば色んなところで、「教育の現場でプログラミングを教えるべき」と言われているけど、そーなったらプログラマは専門職じゃなくなる。だって、教育を受ければ誰でもできるんだから。

そもそも今の就活市場でも、SEの説明の時には「コンピュータを触ったことがない人でも、文系でもSEになれます」なんてことを言っている企業は多い。その時点で、その会社においてSEは専門職とは言えない気はするよね。

そんな感じで、今確固たる地位を持っている専門職たちがその地位を剥奪されるかもしれない。逆に、今は一般職となっていることが、ちょっとしたキッカケで専門職としての価値を発揮するかもしれない。そーいうのを観察するのも、面白いですよ。

ばいびー☆

紅葉が綺麗な奈良公園。

紅葉が綺麗な奈良公園。