「上手くいった場合」しか考慮できないマネジメントのような何かのハナシ。

まいど、いおりんでござい〜。

ドラマ「Dr.倫太郎」が終わりましたね。終わりましたけど、私は録画したのを空いた時間で見ているので、まだ最終話は見ていません。あー楽しみ。

Dr.倫太郎はめちゃめちゃ楽しんでいる。「ドラマ」としては一つの完成形を見ているような気がする。カメラのどんなカットもクオリティが高くて、しっかり考えられている感がする。演者さんもクオリティが高くて、演技も最高だし、「間」も素晴らしい。べた褒めだよ私は。

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さて。

Dr.倫太郎は精神科医のドラマで、舞台は著名な大学病院。病院の理事長は医療界のトップで、大臣に新しい病院の建設補助金を交渉するため、新橋の高級料亭で芸者さんに接待させる。敏腕なんだけど腹黒い。患者のためと言いつつ、利益や病院の拡張のことを優先させるよーな、いわゆる“大病院らしい”理事長だね。

で、劇中で、その理事長が「補助金50億を出してもらう代わりに、某大臣の息子の超難解手術を成功させる」っていう約束を取り付けて病院の超一流の脳外科医に依頼するんだけど、この脳外科医が実は原因不明の視力低下に陥っている。

そのことを言っちゃうと、自身の脳外科医としての価値が失われちゃうから隠そうとしている。そんな中にやってきた、超難解手術のオハナシ。理事長が脳外科医に「君の腕ならできるよね。これが成功すれば、新しい病院の設立がかかってるんだよ」ってお願いする。

この脳外科医さんは悩んだ末、断る。「この手術は無理です」って。医師の会議で。「私の技術では、リスクが大きすぎる」って。

そこで理事長のヒトコト。

*「この手術(オペ)は断れないよ。」

最終的に答えを出せない脳外科医を理事長室に呼び出し、「私は君の命の恩人」「君にノーという権利はないよ」「返事をしろ」と半ば脅しながら、ついに脳外科医にYESと言わせる。。。

「まー失敗しないでしょ、あいつなら」みたいな思考回路になってるんだよね。

これを見ながら私は、「どこの世界も一緒なのかなー」と考えちゃったね。

この理事長は、「手術に失敗したらどーなるか」っていうリスクヘッジが全然できてないよね。「成功したら、莫大な利益になる」ということに目がくらんで、失敗したときのことが考えられていない。というか、「まー失敗しないでしょ、あいつなら」みたいな思考回路になってるんだよね。

これって、多分どんな業界でも起こり得ることだと思うんだよね。「上手くいった場合だけを考えて判断する」ってこと。

例えばIT業界でよく耳にするのは、こんなハナシ。

1. エンジニアが想定工数は最短で3日です。って上司に伝える。
2. 上司が3日後に納期を設定する。
3. 2日目の昼に別案件の緊急対応に時間がとられて、3時間費やしてしまう。
4. その結果3日目になっても間に合わない。
5. 上司が部下に「3日で出来るって言っただろ!」って怒る。

アホほど聞きます。この場合、エンジニアは「最短で3日だけど、いろいろ考慮して1週間です」って伝えるべきだったし、上司も、「最短で3日なら、1週間もあればできるな?」って聞くべきだった。双方とも「上手くいく場合」だけを考慮した結果なんだよね。

世の中には、「想定工数は最短で3日です。」って言うと、「それじゃあお客さんは納得しない。残業して2日で終わらせろ。」とか「今障害が起きてるんだから、1日で直せ」って言われることも多々あります(言い方は優しいかもしれないけど)。こんな発言も、「上手くいかない場合のリスク」から目を背けているからできるんだよね。

別にIT業界じゃなくても起こります。

・営業マンが、「今日中に絶対契約をとってこいっていっただろ!どーすんだ!」って怒られる。
・会議5分前に上司が「えっ、資料印刷してないの?すぐ印刷して!」って慌てる。
・「○○さんが倒れたんで、××さん入ってよ。遊んでるんでしょ」ってバイトに言っちゃう。

全部「上手くいった場合だけを考えて判断する」からです。

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マネジメントにおける最低限の前提として「上手くいかないことを前提とする」ってのがある。言い方を変えれば、「予想外を予想する」ってこと。

人間って基本的にアホなんで、人間なんかの確実性に頼るよーな仕組みはそもそもマネジメントとして欠点しかないんだよね。だから、「どーやったら人間がミスしないようにするか」じゃなくて、「どーすれば、人間がミスしても問題ないようにするか」って考えるのが、マネジメントの前提だと思うんだよ。

そりゃ、「じゃあ人間はどんだけミスしてもいいの?」って言うとそーいうことじゃないんだけどね。ただ、「ミスしなければラッキー、順調に進む」ってくらいで、ミスしても「まぁ別に致命的じゃないからいーよん」とか「リカバリーする方法は確立してるから、それでお願い」って感じがちょうどいいと思うんだよね。

人間って、ミスするんだから。

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私は自分をマネジメントするときも、「私は絶対にミスをする」っていうことを考えて動きます。だから、「ミスをしてもカバーできること」っていうのは絶対考えるし、「ちょっとミスしたとき、被る損害が許容できるか」っていうことも絶対考える。許容できなけりゃ、それはやらない。

すごい保守的な言葉かもしれないけど、「挑戦」と「博打」を分けるところって、ここだと思うよ。ちゃんと失敗したときのことを考えた上で、それを許容して一歩踏み込むのが挑戦。失敗から目を背けて成功させるんだと言い聞かせて一歩進むのは博打。

挑戦、しよーぜ。

ばいびー♪

「ミスしても大丈夫」という人生が余裕を生む、と思ういおりん。

「ミスしても大丈夫」という人生が余裕を生む、と思ういおりん。