鎌倉の飲食店を題材に考える、観光地に最適化された市場のハナシ。
まいど、いおりんでござい〜。
鎌倉という街に住んでいるけど、鎌倉という市場は今まで暮らしていたどの町よりも特殊で、住んでいてとても面白い。
街には色んな種類があるよね。オフィス街、田舎町、大学周辺街、繁華街…。鎌倉という街は、ジャンルで言えば観光街と言える場所なんだよね。私、いおりんがこれまで住んだことのないジャンルなんですよ、観光街って。
で、街の種類が違えば、その街が展開する市場や顧客もトーゼン違う。鎌倉という街は、そのほとんどのお店がモノの見事に観光客をメインターゲットとしているんだよね。飲食店、雑貨屋さん、自転車屋さんなどは、ほとんど観光客に適したサービスを提供している。地元用の店もあるけど、スーパーや薬局などが最低限、散在している程度。
飲食店は本当に観光地を相手どってる。20時には営業が終わる店が多いし、料金だって、東京の700円〜1,000円が、鎌倉では1,000円〜1,500円、という感じで割高。場所だって観光客が多い道(海沿いや、駅から鎌倉大仏までの道など)に集中している。
観光地の飲食店と、オフィス街や住宅街の飲食店では、提供している価値が全然違うんだよね。なぜなら、顧客が求めている価値は違うから。
そもそもオフィス街、住宅街の人にとって、外食は日常の一部でしょ。人によっては毎日昼休みに外食したり、毎週末に飲み屋に行ったりするわけです。顧客が求めている価値は、例えば「ソコソコおいしくて安く、すぐに料理が出てくるお店」とか「安くて量が多く、健康的な料理が出てくるお店」とかになるよね。ポイントカードとかもとっても有効な手段になる。
ところがぎっちょん。観光客にとって、観光地の外食は1つの観光イベントだよね。そーなると、顧客が求めている価値は「そのお店でしか味わえない景色やご当地料理を楽しめる」とか、「来ている人たちがお洒落な気分に浸れるお店全体の雰囲気や料理の外観」とかになるわけ。多分、「FacebookやInstagramでアップロードしたら“いいね”がもらえそうか」とかも今はかなり重要だね。ポイントカードなんか使わないけど、飲食店オリジナルグッズ(ロゴ入りカップとかキーホルダーとか)は欲しがる人がいるかもしれないね。
オフィス街、住宅街における外食費は「固定費」なのに比べ、観光地における外食費は「変動費」なのも、見落とせないポイントだね。観光地の飲食店は多少割高でも、一時的な出費だから大きい問題にならないし、価格競争も起こりづらい。オフィス街とかは固定費だからとっても重要で価格競争も激しくなりがちだよね。
〜〜〜〜
ちなみに、飲食チェーン店は観光客相手では弱い。例えば鎌倉とか日光とか観光に行ったときって、「観光に来てまでマクドナルドとか行くよりも、地元の名店とかに入ろーぜ」ってなるでしょ?それは、チェーン店の提供している価値が観光客とマッチしていないことが多いからなんだよね。
チェーン店がそういう時の対策としているのが、「観光地にその土地ならではの特別な店舗を置く」こと。スターバックスは観光地に「コンセプトストア」を置いたりしているし、コンビニだって観光地独自の景観にしている店も珍しくないよね。アレも、「その土地ならでは」という観光地的魅力を価値として提供しているんだよね。
参考: 見たことあるかも?観光地の景観にうまく溶け込んだチェーン店15選(リンク切れ)
〜〜〜〜
鎌倉はそーいう観光地に最適化されたお店が多くて、とっても面白い。新しくできるお店もほとんどお洒落だったり、独自の料理があったりして、観光地的価値の提供を念頭に置いているからね。
あと、全体的にお店が少ないせいで、顧客過多の市場になっているのも面白い。これについては後日語ろうかな。
ばいびー♪