スガシカオさんの「アイタイ」に見る性の美しさ
Yosemite イオリンです。MacをYosemiteにアップデートしました。色んな見た目がガラッと変わっていて良いなぁ、と思います。使いやすくなったかは別として、こういう「モノが新しくなる」ということに関して、面白さを感じられる人間なのですよね、私は。
今、スガシカオさんの「アイタイ」を聞いています。これはスガシカオさんが数年前、一度インディーズに戻って、「本当にやりたい音楽をやる」という選択をしたあとに作った楽曲です。
なんか中国的なイメージのサウンドで始まったかと思えば、そこからシンプルなんだけど妖美な音楽の中、これまた妖艶な歌詞が紡がれていきます。妖艶なんですけど、どこか一般的な、女性なら誰しもが抱いていそうな想いを述べています。
大キライ 手を握られたりするの
キライ 放っておかれるのも
キライ めんどくさいって 自分でも思う
誰もが心の中に抱く、「純粋な妖艶さ」を、サウンドと歌詞、そしてスガシカオさんの声質、という、あらゆる方向から描写している、秀逸な唄だと思うんですよね。
キス キライ 体触れる瞬間キライ
自分の性器 すごくキライ
あなたに血が付きそうで
残念なのが、日本には、そういうものを「下ネタ」と一蹴してしまう文化が根強くありますよね。芸術描写には広い幅があると思うのですが、性を強く描写すると「下ネタ」というジャンルにまとめられてしまう。全部一緒の、「下品なもの」として扱われてしまう。
私は、性描写のある音楽作品が割と好きで。世の中には少ないですけど、人の世を表現するためには欠かせない要素だと思うんですよ。もちろん、下品な要素もあるし、おおっぴろげにすべき内容でもないとは思いますが、そこにも「美」といったものが存在するんじゃないかなあ、と。
スガシカオさんの「アイタイ」には、その美が詰まっている気がするので、一蹴するのではなく、耳を傾けて欲しいなぁ、と思います。