こんなこと

「将来の夢」の欄には汚い文字で
「ウルトラマン」
待ちに待った大人の世界は
どこか色褪せて物足りなかった

こんなことしたかったんだっけって
電車の窓に映る僕の目は虚(うつろ)で
ただ眠る時間だけを逆算していた

無駄なことなんて何もないって
みんな偉そうに語るけど
胸を熱く焦がしたあの日々の
欠片も今は見当たらない