そっと誰かが背中に触れた

振り向いても誰もいなくって

温もりだけが心に残る

窓に映る猫を見たよ

猫は自分を見ているばかり

不意に僕を見つけては

飛び上がって滑ってこけた

昨日降った雪が街を染めて

今日の街はいつもよりもずっと静かで

雪を踏み固める僕の足音だけが

そこに少しだけ青い色を添えた

真っ白い郵便ポストに手紙を入れた

宛名だけを書いて住所は書かず

届けばいいなと思ったけれど

本当のとこは届かないでほしい

溶けて消えてなくなってくれ