鐘の鳴る街

夜の電車に揺られて
この街へ帰ってきたよ
僕が育ったこの街へ
僕が旅立ったこの街へ

変わったところもあるけれど
変わらないところが目について
ただいまと小さく呟いた

今年も終わりが近づいて
忙しい毎日を抜けてきた
この街よりもずっと早いあの街じゃ
誰にただいまを言えばいいのかなあ

坂を駆け上がるあの少年は
今も昔もあの頃のまま
昔はあそこに僕がいた

ごーん ごーん
鐘がなっているよ
見送るでもなく 迎えるでもない
ただひたすらに
ごーん ごーん

朝の電車に揺られて
またこの街を去っていく
あの忙しい街へ帰っていく

ごーん ごーん
鐘がなっていたよ