名も知らない動物の冥福を祈る

今朝、自転車をこいでいたら、役所前の道で中型犬くらいの野生動物が倒れているのが見えた。多分車で轢かれたんだろう。

別にそれが悪いとは言わないが、人が轢かれればやれなんだと大ごとになるのに、人でなければ何事もなかったように排除されてしまう人間社会は、とても奇妙に思う。

動物を人と同様に丁重に扱うべきと言うわけではなく、人を動物と同様くらいに、雑に扱うべきだと思う。人間がそれほど命を大切にする気がないことを、あの横たわった動物の殻が物語っている。

それでいい。命は廻るものだ。生まれて死にゆくものだ。それを非常なものだと忌避し、命をむやみやたらと留めようとするから変なことが起こる。

せめて名も知らないその動物の魂が世界に還ることを祈る。私が人の死を想うのと同じように。