感受だけで

「人間のはじまりを生きてみる: 四万年の意識をたどる冒険」という本を読み始めた。

この本は、大真面目に、旧石器時代の生活をしながら、「彼らはどのように世界を捉えていたのか」というところを、小説のように深掘りしていく。

まだ読み始めだけれど、俺は素直に「羨ましいな」と思った。

著者はこれを書く前に「動物になって生きてみた」という本も執筆している。これはキツネやアナグマとして生きることで彼らの感受へアプローチしている本だ。

これは「イグ・ノーベル賞」を受賞している。レビューなどでも「笑える」とか「変態」とか言われている。

でも、俺が感じたのは同じく「羨ましい」だった。

きっと俺の根っこにも、「野に帰りたい」があるんだと思う。

動物のように、あるいは原初の人類のように、「感受」だけで生きていきたい、と心の底でずっと思っている。

言葉は好きだけど、それは紡ぐ時だけで、世界を感じている間は言葉は一番邪魔だ。