イオリンの何か

夏めく

夏が車を飛ばしてやってきて
梅雨は傘をさして旅に出た

輝く太陽と威張る雲と
澄んだ空はまるでクジラの口の中

テントウムシが 指をよしのぼる
飛び立つ場所を探して いそいそと

爪の先を制覇しても休まず
羽根を広げて次の山へいっちまった

夏色に染まった 少年の横を
虫取り網が駆け抜ける

犬は喜び 草原を駆け回って
猫は日陰を探しては丸くなる

海は砂浜に恋をして
引いたり押したり寄せては返し

砂浜には小麦色の織姫様
海には波乗り彦星様

昼が退屈しはじめて
太陽と手を繋いで帰っていった

流れ星が夜と月をつれてきて
プラネタリウムを眺めてる

海は空の真似をして
宇宙のように踊ってる

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