あるなんでもない夜に
あなたが逝ったと報せを受けた
ああ きっとそろそろかな
ずっとそう思っていたから
その時が来たというだけ
ここ最近のあなたはどこか
いつも見ていたあなたではないようで
その魂をぽろぽろと落としていった
その朽ちていく魂の箱を見ながら僕は
もうずっと覚悟を決めていたんだ
いずれバスが走り去るように
いずれ太陽が去り落ちるように
いくらも流れ行く思い出の中に
あなたも流れ行っただけ
ねえ パパ
あなたと語り明かしたのは
たぶんあのなんでもない夜だけ
それでもあなたのくれた魂を
僕はこれからも持っていきます
僕の胸の中に浮かぶあなたの姿は
いつまでも僕のパパです