イオリンの雑記

強い言葉

「低劣人間をデリートせよ」という本があった。タイトルのエッジが強すぎてビビるけれど、本は名著だと、信じている作家さんが言っていた。原題は「No Asshole Rule」だから、むしろ良い翻訳仕事している。本の始まりが「私は嫌なやつに会うとつい『このクソ野郎!』と思ってしまう」だった。このクソ野郎も「Asshole」なんだろうな。こういう暴力的な言葉は昨今、言葉狩りにあっているけど、優れたメッセージには暴力的な言葉も多い。「It’s the economy, stupid(経済なんだよバカ)」とか。No Asshole Ruleも、弱い言葉・・・「No Bad Rule」とか「No Selfish Rule」にした瞬間、意味がなくなる。「そりゃそうだろ」ってなるし、正しいニュアンスではなくなる。強い言葉には、強い言葉なりの意味がある。例えば職場の満足度に関するアンケート調査でも「同僚にはなんでも話せますか」とか「上司は話を聞いてくれますか」といった質問をたくさん投げられるけど、ただ一つ「今の職場はクソですか(Is our workstation an asshole?)」を聞けば満足度自体はほぼ測れるように思う。ある映画でも、「あなたに友人がいないのは、あなたがナードだからとか、頭が良すぎるからじゃない。あなたがクソ野郎(Asshole)だからよ」というセリフがあった。正しく使う必要はあるけれど、それさえこなせれば強い言葉は文字通り、強力なツールだ。最後に念のため添えておくと、俺の職場には「Asshole」は観測していない(Assholeと同じ職場にいたことは、まぁ確かにあるけれど)。

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