昔、「十三人の刺客(2010)」という映画を見ました。1963年に撮影された同名の、剣戟時代劇の古典とも言えるような映画のリメイクです。
プロットは、「悪虐非道の殿様を成敗するために十三人の刺客が集められた」という分かりやすいもので。十三人 vs 殿様と護衛の集団抗争的な殺陣が見どころです。
オイラがこの映画の中で一番印象に残っているのは、稲垣吾郎さんが演じる「悪虐非道の殿様」です。稲垣吾郎さんの怪演がすごく輝いていて、様々な創作で出てくる愚帝の中でも一番好きかもしれません。
淡々と無感情に、少し爽やかとも言える様子で、引くぐらい胸糞悪い悪行をこなしていくゴロー殿。その狂気は時代劇の悪役というより、ホラー映画に近い部分があります。
「迷わず愚かな道を選べ。そのほうが楽しい。」
このセリフは今でも思い浮かべて判断の基準にするくらいに好きです。綺麗に生きようとしている自分を戒める時に、心の中にゴロー殿を描いています。