英語を「学ばなくても良い時代」と「学ばなければいけない時代」のチキンレースのハナシ。

まいど、イオリンでござい。

「これからの時代、英語とか学ばなくてもよくなる」と同じくらい、「これからの時代、英語くらい読めないと本格的に置いていかれる」という事象が起こりつつあるなあ、と最近思う。

私はちょっと前までは、「もう英語とか、好きな人以外は勉強しなくても良い世界が来るでしょ」と思っていた。Googleさんの機械翻訳はめざましい発展を遂げているし、その技術向上はこれからも進んでいくように思えたからだ。

だから、日本語を使っていても英語圏の人々とコミュニケーションがとれるようになるし、言語の壁なんてものが取り除かれる世界が遠からずやってくるだろう、と。そう思っていた。

ところがぎっちょん。

それとは真逆の、「英語が使えないとダメになる」という世界になる可能性があるなあ、と思う。

〜〜〜〜

例えば、プログラマの世界、ITの世界で仕事するには、「英語文書を読む能力」というのは、実力に直結する。なぜなら、最先端の技術に関する文書とは、まず真っ先に英語で書かれるからだ。そしてそのあと、有志によって日本語に翻訳されたり、意訳されたりして、日本語の情報として届いてくる。

機械翻訳の成長は驚嘆に値するが、それでも完全に実用化するには、まだ一歩届かない。ふんわりは理解できるが、詳細は理解できなかったり、意味が違っていたりする。その結果、自分で原文を見て読み取る能力も重要だ。

その点、人による翻訳はまだ正確だが、その反面、翻訳に時間がかかりすぎてしまう。書籍などは、「1年越し」くらいがいいところだし、そもそも日本語に翻訳されない書籍だって大量にある。それは深く、ニッチなジャンルになっていくほど顕著だ。

だから、日本に入っ てくる情報とは、基本的に遅いし、狭いし、不正確なのだ。

少なくとも現時点においては、「英語が読めること」はITの世界で生きている人にとって、とても重要な能力なのだ。

そしてそれは、何もITの世界に限った話ではないのだと思う。世界情勢や政治、市場などなど、「世界がどこへ向かっていくのか」という情報の最先端は、「英語圏」にあるのだ。

〜〜〜〜

さて。

今世界では2つの方向性がある。

1つは「機械翻訳によって、第二言語、第三言語など学ばなくても言語の壁が取り除かれる」という方向。

そしてもう1つは、「英語学習スキルの低下によって、誰もが英語を学んでいることが前提となる」という方向だ。

後者の方は昨今、無視されがちだが、昔に比べて今は英語を学ぶコストはとても低くなっている。遠隔で英会話コースを受講することもできるし、外国人が教師をやっている英会話教室も格段に増えた。教科書も進化していて、うまく選べば日本でも相当な英語力(=英語圏で生活できる能力)が鍛えられるだろう。

海外に渡航するコストが下がっているのも大きい。渡航することに関する情報はインターネットでいくらでも調べられるし、インターネットで申込みまで済ませることもできるかもしれない。日本にいるうちから、海外でのホームステイ先を見つけて先に交流しておくことだって可能だろう。

そう考えると、「英語を学ぶコスト」というやつは、どんどん下がってきているのだ。「選ばれし秀才のみが習得できる」といったものではなくなり、「一歩踏み出した人が習得できる」となっている。

〜〜〜〜

私は、「英語を学ばなくてもよくなる」と、「英語を学ばなければいけなくなる」のチキンレースがはじまっているように見える。

「英語を学ばなくてもよくなる」という時代の到来が、なんだかんだ言って20年、30年くらいは来なさそうな気配がするのだ。Google翻訳さんに頑張ってもらったとして、それを日常会話やビジネス会話で実用するには、20年か30年くらいはかかりそうな気がしている。

そして、それよりも先に、「英語を学ばなければいけなくなる」のほうが早くやって来る気配がする。「英語圏」と「日本語圏」との時代差が広がってしまい、「英語も読めないんじゃ時代遅れだよ」と言われてしまう時代のほうが、早く訪れそうだ。

それはすでに、多くの場所で起こっているんじゃなかろうか。

私は先日、シリコンバレーにおいて「ショッピングセンターではR2D2みたいな警備ロボットが巡回している」「自動運転カーのテスト運転は毎日行われている」という事実に衝撃を受けた。それ以来、まるで海外かぶれの帰国子女のように「知ってる?シリコンバレーではね・・・」と、このことを触れ回っている。

そして、今のところそれを聞いた多くの人が、同じように驚いたり、信じなかったりした。同じIT業界の友人知人から、居酒屋の店主までが。

「英語を使えない人」はすでに、英語圏からは取り残されているのだ。

〜〜〜〜

私は少し前まで、「子どもができたとしても英語を学ばせるつもりはない」と言っていた。でも、ここ最近、その辺りのことを鑑みると、私の子どもの世代には、まだまだ、英語は必要……もしくは不可欠なのかもしれない、と思っている。

日経新聞などではなく、「海外の新聞を読めるか」というところが、もしかしたら社会人としての1つの指標になるのかもしれない。

ばいびー。

私は英語好きでよかったなあと思う。

 - 所感・主張

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著者: イオリン

平成元年生まれ。奈良に生まれて青年時代を関西で過ごす。ITとデザインを勉強して上京しITベンチャーに就職するが、「もっと楽しいことをしたい」と退職。社会人生活をゼロからのリトライ中。見た目はダンディ、心は永遠の15歳。

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