映画「ちょっと今から仕事やめてくる」を見て感じたハナシ。〜前編〜

まいど、イオリンでござい。

先日、映画「ちょっと今から仕事辞めてくる」を見てきた。

予想に反してとてもいい映画だったし、いわゆる社畜同然だった身としてはいろいろと思うところがあったのでそこらへんを書き留めます。

今回は前編なので致命的なネタバレはあまりないと思いますが、それでもネタバレ恐怖症の人はいますぐ深呼吸をして、私の他の文章でも読みながら心を落ち着けてください。

引用元: 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」

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さて。

この映画は、端的に言えば「仕事が辛くて死にたい」と思っていた青山が、毎日楽しく暮らしている旧友「ヤマモト」と再会することで、仕事とか生きていることとかを見つめ直す、といったような映画だ。

言葉にするととてもありふれた映画のように思う。実際、テーマとして上記のアイデアはありふれたものだろう。

ただ、この映画はそれをとても丁寧に描写しているように思えたし、ありふれているからこそ、私たちの日常にとても強く紐付いていて、突き刺さる内容だった。

個人的には「すべての働く人たちに勧めたい」と思うほどの作品だった。

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青山は営業マンだが、業績がイマイチで、ミスをしては鬼のような上司(吉田鋼太郎さん)にパワハラレベルの叱りを受けている。残業時間は150時間にのぼるが残業代は出ない。ただ毎日夜遅くまで仕事をしては叱られるような日々だ。

そしてある日、「眠りたい、休みたい」と思いながら電車に飛び込もうとしてしまう。

そこを間一髪で救ったのがヤマモトだ。

「小学生の頃の友人」と名乗るヤマモトは、それから事あるごとに青山とつるもうとする。家におしかけて遊びに誘ったり、帰りの駅で見つけては飲みに誘ったりする。

陽気なヤマモトにつられてタカシもなんとか気分を持ち直すが・・・?といったところが今作。

部長から恫喝される日々。
引用元: 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」

自殺寸前の青山を救うヤマモト。
引用元: 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」

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私はもともと、いわゆるブラック企業で働いていた。

まぁ劇中の青山ほど状況は酷くなかった。青山が勤めている会社のような「朝の運動」や「社訓音読」などはなかった。青山の会社は社訓も酷すぎる。(「心は捨てろ。心がなければ耐えられる」など)

ただ、残業時間で言えば青山よりも+50時間〜80時間ほど多かったし(そんなところで競ってもどうしよーもないのだけれど)、お客さんに怒られたり上司に無茶を押し付けられたりといった、似たような境遇もいくつかあった。

何より「あーー眠りたい」と思いながら電車に飛び込もうとするところは、なかなか良い着眼点だと思った。過労や仕事のストレスで自殺する人の多くは「死にたい」じゃなく、「休みたい」「眠りたい」なのだ。自殺の最後の一歩は「生きていても仕方がない」ではなく、「眠りたい」なのだと私は思う。

多くの自殺していった方々も、死ぬ寸前にもし目の前にヤマモトのような人が現れて「飲みに行こうや!」と言われたらそのまま飲みにいって笑って話せるような状態だっただろう。

ヤマモトと飲むと自然と笑える青山。
引用元: 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」

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さて、吉田鋼太郎さん演じる鬼上司「山上」部長のような上司は私にはいなかった。正確に言えば、山上ほどではなかった。

山上の行動は明確に「部下よりも自分」「部下の人生より業績」な人間だ。その上でいて、「自分が厳しくするのは部下のため」とも思っているような人間だ。自分の経験や周りの体験談などを見る限りそんな人間は少なくないのだろう。

このような上司と相対すると、人はその人に逆らえなくなることが多い。特に仕事に真面目であるほど、仕事一筋であるほど、上司に逆らうことは難しくなってしまう。「職場」以外の世界を持たないと、職場での絶対者に服従するしか生きる道がないように勘違いしてしまうのだ。

世界は広い。職場なんていくらでもある。その中で君に合う職場はあるだろうし、逆に君に合わない職場も星の数ほどある。だから、自分に合わない、辛いと思うような職場や上司とはさっさとおさらばしてしまえばいい、と今なら思う。

これがまた難しいんだけれどね。

怒鳴り散らしたり物を蹴ったりする部長怖すぎる。
引用元: 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」

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「すべてを放り出して逃げるだけじゃないか」
「そんなやつが次の職場なんて簡単に見つかると思うな」

これらは山上部長が青山に退職すると言われた際に青山にぶつけた言葉たちだ。

映画内では山上がまるで悪役のような描写がされているため、これらの山上の発言にも正当性はないように思う。まるで自分を正当化させるためだけに青山を否定しているかのような。

ところがぎっちょん。

山上のこれらの発言は少し前まで……いや今でも、多くの場所で「正しい」とされている言葉だろう。

それこそ「最初3年は辛くても働け」とか「辛くても頑張ればいいことがある」だとか。私が子供の頃から働きはじめた後まで、そーいうことが正義とされてきた。

今でこそ「働き方改革」だなんだと言って残業が多いことなどは問題とされはじめてきているが、それでも世の中の多くの人たちは「耐え抜くこと」が正義と思っているだろう(口ではどう言っていたとしても)。

だからこそ、多くの人たちは会社が辛くても働き続けるし、多くの人たちは部下が辛くても「頑張れ」「ここが踏ん張りどころだ」などと言い続けるのだ。

私はそんな正義は「クソ喰らえ」だ。

私たちは辛けりゃ逃げればいい。仕事なんていくらでもあるし職場なんていくらでもある。「転職は難しい」だとか「逃げる人に仕事なんてない」だとかいうのは、どっかの誰かが自分の都合のいいように世界を解釈しただけの世迷い言だ。

だから、頼むから、辛けりゃ逃げてほしい。逃げることはまた別の闘いなのだから。

限界を迎えてもなおボロボロになっていく青山。
引用元: 映画「ちょっと今から仕事やめてくる」

後編に続く。

ばいびー。

社畜時代の自分の写真を見ると、こんな感じの色合いが多い。

 - 所感・主張, 映画

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著者: イオリン

平成元年生まれ。奈良に生まれて青年時代を関西で過ごす。ITとデザインを勉強して上京しITベンチャーに就職するが、「もっと楽しいことをしたい」と退職。社会人生活をゼロからのリトライ中。見た目はダンディ、心は永遠の15歳。

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