デザインとアートは違うんですよ、ってハナシ。
まいど。いおりんです。冬が一番寒いし、乾燥肌には一番キツイよね…。
さて、私は1年半ほどITエンジニアとしてプログラミングのプロとして仕事していたけど、大学ではデザインも勉強してきたんだよね。そんな私としてはデザインに関しても思うところがある。
今日はデザインとアートの考え方の違いについてちょっと語ってみます。
「なんとなくカッコイイもの」っていう提案は、デザインからは最もかけ離れたものなんだよね。
デザインに対する考え方として一番キーとなるのは、「デザインとアートは別物」というものです。これが理解できるか否かで、デザイナの良し悪しが決まるんじゃないかな、って大事。大学でも最初はココを重点的にたたき込まれた。
デザインとアートの違いは下記の文章が一番わかりやすい。
デザインとアートの間には、決定的な違いあります。それこそ”Design solves a problem, art is expression”(デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である。)というものです。
ここから言えることは、Why?をBecauseで説明出来なければ、それは明らかにデザインではないということなのです。何となく、個人的に好きだから、感覚で、といった理由を述べた時点でそれはアート(自己表現)であり、デザイン(問題解決)ではありません。
もうこの文章が全てを語っているんだけど、デザインというのは、ある「問題」に対して論理でガチガチで構築していくものなんだよね。だから、全ての要素に対して理由がある。
例えば企業のロゴを作るとき「なんとなくカッコイイもの」っていう提案は、デザインからは最もかけ離れたものなんだよね。「そのロゴマークを見た人に、どういう印象を与えたいの?」「注目してほしい人の人物像は?」とかから考えるのがデザインなんだよ。
デザインは論理。感性で構築するのはアート。この違いは果てしなく大きいね。
デザイナの方でもこの部分を勘違いしている人はいるから、例えばデザインを外部にお願いするときは下記のようなことを聞いたら良い。
・なぜアルファベットにしたの?
・なぜそこは曲線なの?
・なぜそこの線は細いの?
・なぜ左下じゃなくて右下に配置したの?
・背景が白なのはなぜ?
・なぜソレが面白いの?
・なぜソレをみんなが見るの?
・ソレを見た人にどういう行動をしてほしいの?
こういうこと全部に理由が答えられるのがデザインというもの。その理由付けを助ける理論 1を習得しているのがデザイナなんだよね。
デザインは論理構築だから、そのための材料は多ければ大きいほど良いモノができるよ。
デザインをお願いするときは、「なんとなく格好良いモノ」なんてお願いじゃなくて、どういう問題を解決して欲しいかをデザイナに伝えたほうが、デザイナの方は仕事がしやすい。
「私はカフェを経営している。大人の男性の利用者が多く、ブラックコーヒーが好まれているのだが、若い女性客やカップルが少ない。今後は若い客層も増やしていきたい。また、カフェモカやカプチーノなどの売上げを伸ばしたい。ケーキの売上げも伸ばしたい。そこで、メニューの一部とロゴデザインを変えようと思う。」
みたいな提案をされるとスゴイやりやすい。
「今のロゴは黒色が強く、店名も筆記体だから大人の男性が目につきやすく、逆に女の子とかは敬遠しちゃうデザインなんですよ。黒色をいっそ消して店名も優しい字体に変更し、全体的に柔らかいデザインに変更しましょうか」
みたいなハナシができるからね。もしかしたら、「ロゴだけじゃなく、メニュー表も一新しましょう」「店の場所もちょっと考えないといけないかもですね」「○○キャンペーンを打ち出しましょう」なんて提案もできるかもしれないね 2。
デザインは論理構築だから、そのための材料は多ければ大きいほど良いモノができる。逆に、アーティストにそれをやっちゃうと、アーティストの良いセンスが潰されるか、振り回されるかのどっちかだから注意だね。
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以上、デザインとアートの考え方の違いでした。デザイナ志望は多分、ここでまず挫けやすいね。私はセンスが無い人間だから逆に元気でたけどね。ふふ。
私は大学時代の演習で、とある先生に「それって何が面白いの?」と言われ続けたことがあって、一時期トラウマになった。