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Stay Gold, Ponyboy.

一人じゃとても

「今、いちばん会いたい人は?」と もし誰かに聞かれたら
今 君は誰のことを 心に思い浮かべますか?

遠くで / コブクロ

僕は、成人になってからすごく会いたい人がいます。僕の父方の祖父および母方の祖父です。祖父と一緒に酒を飲んで話をしてみたいのです。

この年になってわかったのですが、孫と一緒に酒を飲んで話をするというのは何よりも楽しみな老後のイベントであり、僕が祖父にできる最高のプレゼントだと思うのです。

父方の祖父も母方の祖父もお酒が好きですから、余計に楽しみにしていたと思います。

彼等は今、僕から遠いところにいます。僕が小学生〜中学生のころに、2人ともこの世を去ってしまいました。だから僕の希望が叶うことはできません。祖父の夢を叶えることもできません。

僕は当時、人の命の重さといいますか、生きてくれていることのありがたみを分かっていませんでした。ちょっと偉そうな顔して、「人はいつか死ぬものだから」と達観したつもりで、祖父の死を受け止めていたのです。

祖父の無念を計り知ることのできない子どもでした。祖父の愛が分からない子どもでした。

僕に、生きることの難しさというか、そういうものを教えてくれた友人がいます。友人は多分そんなこと意図していなかったのでしょうが、僕はその友人の話を通して色々学ぶことができました。いくら感謝しても足りません。

僕は今、まるで当然のように生きています。でもそれは、色々な人たちのおかげで成り立っています。僕が今こうやって大学院というところまで通えて、楽しい毎日を送れているのは、多くの人たちのおかげだと思います。

それが当たり前のようにできない人もいて。僕だって、周りの人たちがいなければできなくなってしまいます。色々な人の支えを受けて、今の僕の毎日があるのです。

大袈裟と思うかも知れませんが、僕はようやく気付くことができました。逆に、そんなことすら実感できていなかったほど、以前の僕は愚鈍だったのです。

でも、もう僕をかわいがってくれたおじいちゃんといろいろ話すことも、話を聞くこともできません。元気でやっていることを報告するのも、一緒に酒を飲んで話をすることも、墓前でしか出来ないのです。

10年近くも経ってようやく、祖父への思いがあふれてきている自分に呆れます。

今、僕が祖父にできる恩返しは、僕がきちんと毎日を生きて、立派に生きて、楽しく生きること。僕はちゃんとやっているよ、と。相変わらずいろんな人に助けられて、なんとか楽しんでいるよ、と。これが僕なりに考えたひとつの答えです。

そして、僕は、祖父が僕にしてくれたように、僕が愛する人たちを支えたいな、と思います。大好きな人たちを助けられるような強さを持った人間でありたいです。まだまだそんな理想像は遠くにありますが…

**

なぜこんなことを書いたかというと。僕は先ほど、ある出来事で涙を流したからです。

友人の祖父がこの世を去ってしまわれたそうです。その無念は、僕が何を語っても表せるものではないと思います。そこにある強い強い絆を言葉になんて僕にはできません。

この隅っこで、そっと僕のなかに溢れた思いを綴らせていただきます。

そして、心よりご冥福をお祈りさせて頂きます。このブログを見てくださっている数少ない方がいらっしゃるならば、同じく祈ってくれると嬉しいです。

なお、冒頭の唄は、コブクロの「遠くで…」という唄の最初の歌詞です。小渕サン(背が低いほう)が、亡き母に向けて書いた曲です。今の僕の思いにすごい通じる部分が多かったので、聞いていました。

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