映画「レヴェナント—蘇えりし者—」を観て感じたことをつらつらとおハナシ。

まいど、いおりんでござい。

映画「レヴェナント —蘇えりし者—」を見ました。レオナルド・ディカプリオ氏が念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品ですね。

世界的にもとーっても話題になった作品だし、音楽に坂本龍一さんが携わったとして日本でも話題にあがるかと思いきや、それほどでもなかったよね。作風が日本人に合わないと供給側が判断したのかな(その判断は正しいようにも思った)。

以下、レヴェナントを受けて考えたことをつらつらと書き連ねます。例によってネタバレを気にする人はごめんなさい。

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レヴェナントのあらすじを簡単に言うと、アメリカ西部開拓時代の猟師たちのお話だ。極寒の自然の中で原住民、猛獣、そして仲間に襲われ全てを失ったレオナルド・ディカプリオ演じるグラスがそれでも生き残り、復讐を誓う。そんな映画。

こーやって書くと日本人に向けてでも十二分に通用しそうな気がするよね。「大自然サバイバル復讐劇」と言えば、なんか荘厳な映像、復讐に燃える男の迫真の演技、そして色んな敵との戦闘アクション。なんだ面白そうじゃん。

ところがぎっちょん。これを見た後は、「あぁ、これは確かに日本人には受けないかも」と感じた。

と言うのも、この映画は元々ヒュー・グラス氏という実在の人物を題材としたフィクションなんだよね。そーいった性質もあってか、物語は全体的にとってもリアルだ。とことんリアルを追求した鬼気迫るサバイバルは、エンタメ寄りが好きな日本人にはウケないだろうな、と感じた。

子どもも奪われてしまうグラス。

子どもも奪われてしまうグラス。
引用元: 映画『レヴェナント:蘇えりし者』予告編 – YouTube

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グラスは物語前半で熊に襲われて瀕死の重傷を負う。その結果、大量の大きな爪痕が全身に刻まれる。当初は仲間に手当てをされていたが、結果的には「死ぬまで見届ける仲間」を数人だけ残して見捨てられる。更にはその数人にも裏切られてしまう。まさに大自然の中、瀕死の重傷を負った状態で放置される。

自然の中で満身創痍のまま生還を目指すグラス。

自然の中で満身創痍のまま生還を目指すグラス。
引用元: 映画『レヴェナント:蘇えりし者』予告編 – YouTube

例えばドタバタアクション映画ならこの後「苦労して生還して復讐に乗り出す」といったところだろう。でもレヴェナントは違う。レヴェナントはこの後、物語終盤までずーっと、グラスが生還するまでの物語を如実に描き上げる。時には原住民に追われて川に飛び込み、時には動物の屍肉にかぶりつき、時には何もない雪原をひたすらに歩く。美しい北米(現カナダ)の土地をただ生き残る様をリアルに描く。

自然は荘厳で、生き残ろうとするグラス氏もどこか神秘的です。

自然は荘厳で、生き残ろうとするグラス氏もどこか神秘的です。
引用元: 映画『レヴェナント:蘇えりし者』予告編 – YouTube

実際、サバイバルをしている時間のほうが、生還して復讐を行う時間よりもずーーーっと長い。そして復讐自体もとてもリアル…というか泥臭い。凝ったアクションやトリックはなく、ただ猟銃やナイフ・手斧で息を潜めつつ、殺し合う。とても泥臭く、リアルな猟師同士の戦いだった。

それらのリアルさ・過酷さは見る側にも一種の覚悟を必要とするんじゃないかな。序盤のシーンから過酷でリアルなシーンを挟み、「これはレオナルド・ディカプリオが演じるグラスのリアルな生還と復讐を見届けなければ」と感じさせてくる。長回しが多いのもリアル描写に拍車をかけてくる。「単なる復讐ドラマじゃない」ということが分かってくる。

全身全霊の映像に息を呑む。

全身全霊の映像に息を呑む。
引用元: 映画『レヴェナント:蘇えりし者』予告編 – YouTube

そのある種の覚悟を持つことができれば、ディカプリオ氏をはじめとした演者の鬼気迫る演技や演出に拍手喝采できる。実際現地で過酷な撮影に臨んだと言うし、映像も彼らの覚悟を如実に伝えていた。逆に気軽に見ようと思って見続けた人は途中でドン引きしていたんじゃなかろうか。

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正直なところ、この映画のセールスポイントとして日本人に有効なのは、「レオナルド・ディカプリオ主演」「音楽は坂本龍一氏」「大自然サバイバル復讐劇」くらいしかなかったんだろう。

アカデミー賞受賞の割にはひと月程度で公開終了する劇場もあったし、動員数が予想を下回ったんじゃないかな。少なくとも同時期に公開された「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」や「ちはやふる 下の句」のほうがずーーっと動員数を稼げそうだ。

実際、この映画を勧められる人は少ない。下手に勧めるとドン引きされそうな気もする。私は知人と一緒に是を観たけれど、正直その子はとってもレアな人だったと思う。他に誰に勧められるだろうか。とても難しい。

ただ、ちゃんとピントが合えば、2016年最高峰の映画なのは間違いない。とっても尖っているが、とっても鋭い。そんな映画だと思う。気になった人は是非。

ばいびー☆

私も荘厳な写真・映像を撮ってみたくなる。

私も荘厳な写真・映像を撮ってみたくなる。